プリオン病の治療を1日も早く実現するために!

私たちJACOP(JApan Consortium of Prion disease)は、プリオン病の臨床に関わる研究を進めるためのコンソーシアムです。プリオン病はまだ原因や発症機序がよく分かっておらず治療薬は一つもありません。他方、病気になるのは100万人に1〜2名位と非常に希でありかつ病気の種類も多いため、お薬の候補が見つかっても、お薬を飲む方々とそうでない方々の2群に別けて比較するという、ふつうの試験を進めることがなかなか困難です。

 その場合でも、病気の自然の経過(自然歴)が分かっていれば、それとお薬を飲んだときの経過を比較することが可能となります。また、できるだけ多くの患者さんに登録しておいていただくことで、お薬の試験を行うときに、迅速に適切な症状や重症度の方々にご連絡ができるようにもなります。

 実は、プリオン病の患者さんの登録については、すでに厚生労働省の研究事業として、1999年からプリオン病のサーベイランスとして行われていました。したがって両者は協力して、2017年4月からサーベイランスの登録をした方々にJACOPの自然経過の調査を行うこととなり多くのご協力をいただいています。ただ、転院の時に調査が中断し易いことから、何とか継続していただけるよう努力しているところです。

 関連して、硬膜移植後クロイツフェルト・ヤコブ病患者さんの支援をしているヤコブサポートネットに加えて、硬膜移植後ヤコブ病に限らず全ての病型のプリオン病の患者さんとご家族の患者・家族会が発足し、サポートネットと協力して活動を開始しました。お薬の開発には多くの患者さんやご家族の協力が必須です。是非、ご参加いただきますようJACOPとしてもお願い申しあげます。

 このような努力により、プリオン病の患者さんの登録と自然歴調査が進み、一日も早くお薬が開発されることを祈念しております。プリオン病の患者さんやご家族の皆さんには、是非、ご参加の程お願い申し上げます。また、ご担当の先生方には最後までご支援のほどお願い申しあげます。

 なお、サーベイランス・自然歴調査研究の詳細については、https://square.umin.ac.jp/prion/survey/ をご確認ください。

 

2019年4月吉日

JACOP運営委員会
委員長 水澤英洋

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